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「適正な指定管理者制度を実現するための提言案」記者発表

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「適正な指定管理者制度を実現するための提言案」、県内すべての自治体提出へ向け記者発表

「適正な指定管理者制度を考える研究会」は11日、県政記者室で記者会見を開き、指定管理者制度による官製ワーキングプアをなくし、公の施設の専門性を確保するための「適正な指定管理者制度を実現するための提言案」(以下『提言案』)を発表しました。

 

 『提言案』は、研究会が2回に亘って実施した「指定管理者アンケート」、指定管理施設15ヵ所を訪問しての事業主との懇談、施設視察などを基に作成されています。
アンケート結果や懇談では、「指定管理者制度になじまない施設については直営に戻すか、非公募にしてほしい」、「自治体からの指定管理料は毎期ごと削られ、積算基準も不透明」、「3年や5年の指定管理期間では成果はでない。職員は雇用不安を抱えモチベーションが低下している」などの意見が出され、指定管理者制度の目的と実際の管理運営上で乖離があることが明らかになりました。
研究会は、これらの問題点を改善するため、経費節減でなく安定運営に重点をおいた選定基準、管理運営経費を積算する際の人件費基準、指定管理者が変更した場合の職員の雇用継承など、7つの改善策を具体的に示しました。(『提言案』詳細はHP参照http://shizu-shiteikanri.jp/)

 記者会見には、研究会メンバーの林克(静岡自治労連執行委員長)、青池則男(静岡自治労連副執行委員長)、良知信一(浜松市職員組合執行委員長)、行政職員(浜松市職員組合)、児玉和人(静岡英和学院大学短期大学部准教授)、中澤秀一(静岡県立大学短期大学部准教授)ら6名が出席し、指定管理施設から三島市社会福祉協議会で介護関係業務に従事している林清美、若杉由紀恵、岩本須美子ら3名が出席しました。

 林氏は、「指定管理者制度は、自治体アウトソーシングの中で官製ワーキングプアを生み出してきた。これは住民サービスのためにもよくない。指定管理者制度による人件費削減に歯止めを掛けるため、政策的な解決をめざして調査を積み重ねてきた」とし、現在、上下水道のコンセッションや市民課窓口の委託化など安倍内閣による「公的サービスの産業化」が進められているが、この時期に政策提言を出していくことは重要であると語りました。

 青池氏は、「当該施設の設置主体である自治体職員の平均給与を基準とした人件費積算、公募・非公募の基準、雇用継承の設定など『提言案』のポイントを説明した上で、「公の施設の管理運営は、本来自治体が直接行うもの。しかし、県内1,500以上ある指定管理施設を直営に戻すのは時間と労力を要する」とし、『提言案』を県内すべての自治体へ提出し、制度改善を求めることで問題を解決していきたいとしました。

 岩本氏は、「三島社協が指定管理者に受託されなかった場合、介護保険事業所は立ち退きという事態が出てくる。地域福祉を守るという意味では、福祉関係の事業所は指定管理者制度の対象から外すか、非公募にしてもらいたい」と訴えました。

 行政職から、「行政の立場から指定管理者制度の選定基準には課題があると考えている。指定管理料を安く申請したものは得点が高くなるなど、経費節減に重点がおかれる傾向にある。その歪みが現場の労働者に出ている」と、『提言案』を制度見直しの機会にしていきたいと述べました。

 中澤氏は、「大学で福祉の人材を養成しているが、研究会の視察で福祉施設は指定管理者制度になじまないと実感した。低賃金で、職員のモチベーションが上がらないなか、適切なサービスを提供できるのかは疑問」とし、『提言案』のように「管理運営を安定して行う能力」を最優先の基準にすべきと述べました。

  児玉氏は、「指定管理者制度導入期に調査を行ったが、自治体のコストカットが懸念された。アンケート結果は、人件費や修繕費の不足など当時の懸念を裏付けた。いま行政サービスの水準が保たれているのは、低い賃金でありながらも、職員の責任感と行政の末端を担っているという思いで支えられている。このまま制度を継続していくには厳しい」と、『提言案』による改善を訴えました。

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